ナチュラルな仕上がりで、メイクを落としたときもきれいでいられると人気の施術・アートメイク。

「針を使って傷口を作り、そこに色素を注入していく施術」と聞くと簡単そうに聞こえるかもしれませんが、アートメイクの施術には高い技術が求められます。

また、正しいやり方でやらなければ失敗したり、ケガをしたりしてしまう可能性も。

この記事では、アートメイクのやり方や施術の流れ、そして最近目にすることのあるセルフアートメイクなどについて解説していきます。

アートメイクとは?

アートメイクとは、皮膚の浅い部分にインク(色素)を注入することで着色する施術です。

アートメイクで注入した色素は平均して2〜3年ほど持ち、薄くなり消えてしまいそうになった場合はリタッチ(メンテナンス)もできます。

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アートメイクとタトゥーの違い

同じように針とインクを使用するアートメイクとタトゥーですが、「針を入れる深さ」が異なります。

タトゥーは皮膚の真皮層まで針を入れるため、注入した色素は半永久的に残り、消えることはありません。

一方、アートメイクは真皮層よりも浅い表皮層までしか針を入れないため、肌のターンオーバーによって徐々に色が薄れていきます。

自分でセルフアートメイクはできるの?やり方は?

セルフアートメイクとは、クリニックではなく、自分でアートメイクをすることを指します。

インターネット通販などで「セルフアートメイクキット」などを目にすることもありますが、自分でアートメイクをするのは、実はとても危険な行為です。

セルフアートメイクにはいくつものリスクがある

セルフアートメイクには、多くのリスクがあります。

針による失明やケガ、感染症のリスクなど、場合によっては健康に大きな悪影響を与えてしまう恐れも。

また、インクの品質の問題もあります。海外製のインクは品質が悪かったり、金属が多く含まれていたりするため、アレルギーを引き起こしてしまうかもしれません。

アートメイクを行うためには、高い技術が必要です。失敗しても簡単に落とせるわけではなく、また、タトゥーのように針を真皮層まで刺してしまうことで、色素が半永久的に残ってしまう可能性も十分に考えられます。

アートメイクは医療行為

アートメイクは針を使って肌に色素を入れる施術であり、医療行為です。

本来は医師免許を持つ者のほか、医師からの指示を受けた看護師免許を持つ者でなければ施術はできません。

きれいになるための努力で後悔してしまうような結果にしないためにも、有資格者のいるクリニックで安全な施術を受けることが大切です。

アートメイクの施術が可能な部位

アートメイクは、定番とされる眉のほかにも、さまざまな部位に施術が可能です。

眉毛(アイブロウ)

アートメイクの中でも人気の高い部位が、眉毛(アイブロウ)。

形や色、デザインによって「きれい」「かわいい」「活発そう」「落ち着いて見える」など雰囲気を変えることができます。

眉毛はメイクで左右対称にするのに苦労する部分。アートメイクを入れると、メイクが楽になります。

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アイライン

アイラインアートメイクは、すっぴんでも目力のある目元にできる施術です。デザインによって、目尻部分(テール)を跳ね上げさせることもできます。

水に濡れてもにじまないから、夏場やプールも安心。スポーツをする機会の多い人にもおすすめです。

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リップ

リップアートメイクでは、リップの形だけではなく、色も変えることができます。はっきりした色味にすると印象的な唇になり、顔全体が引き締まった印象に。

アートメイクなので、食事中やマスクを取ったときでも落ちず、常に魅力的な唇でいられます。

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ほくろ

チャームポイントの一つであるほくろも、アートメイクによってつけることができます。

メイクではすぐに消えてしまいますが、アートメイクであれば簡単に消えることはありません。

ほくろは位置によってさまざまな開運効果があると言われており、運気アップを目的に入れる方もいるようです。

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ヘアライン

アートメイクによってヘアラインを整えることで、額の広さや生え際の形などの悩みを解消することもできます。

額が狭くなることで顔が小さく見える、前髪を上げた髪型の印象が変わるなど、今まではできなかったヘアアレンジにも挑戦しやすくなるでしょう。

アートメイクのメリット・デメリット

アートメイクにはメリットもあれば、デメリットもあります。アートメイクを入れることを考えるのであれば、メリットもデメリットも知っておきましょう。

アートメイクのメリット

まずは、アートメイクのメリットをご紹介します。

  • すっぴんに自信が持てる
  • メイク直しの必要がなく、毎日のメイクの時短にもなる
  • 仕上がりが自然
  • デザインの修正が可能

アートメイクの大きなメリットが、素顔に自信を持てるという点。また、忙しい朝などにはメイクの手間が省けるのも魅力です。

自分の本物の眉毛のような、自然な仕上がりにすることもできます。

アートメイクのデメリット

次に、アートメイクのデメリットをご紹介します。

  • 痛みやダウンタイムが生じる
  • すぐに消すことはできない
  • 2〜3年ほどで消えてしまう
  • 数回施術を受ける必要がある

アートメイクの施術では針を使用するため、痛みやダウンタイムがあります。

また、アートメイクは平均2〜3年で薄くなりますが、消したくてもすぐに消すことはできません。長く気に入っていられるようなデザインを選びましょう。

アートメイク施術の2種類のやり方

アートメイクで肌に色素を入れる方法には、手彫りとマシン彫りの2つがあります。

手彫り

手彫りは、先端に針がついたペンのような形をした器具で細かな傷を作り、そこに色素を注入する方法です。

人の手で丁寧に色素を注入するため、眉毛の毛の流れを表現でき、本物の眉毛のようなナチュラルな仕上がりになります。

マシン彫り(機械彫り)

マシン彫り(機械彫り)は、高速で針が動く専用マシンによって色素を入れていく方法で、均一に色が入ることが特徴です。

パウダーメイクをしたときのようなふんわりした質感を表現でき、手彫りに比べると施術時間が短くなります。

アートメイクの3種類の技法

アートメイクには3種類の技法があり、それぞれ異なる仕上がりになります。自分に合った技法はどれか、じっくり考えてみてください。

2D眉(パウダーブレーディング)

2D眉(パウダーブレーディング)とは、点で色素を入れていく技法のことです。

グラデーションが表現しやすく、パウダーアイブロウで色を入れたようにふんわりした仕上がりになります。

メイクをした後のような仕上がりにしたい方、眉毛の毛量が多い方におすすめです。

3D眉(マイクロブレーディング)

点で色素を入れるパウダーブレーディングに対し、3D眉(マイクロブレーディング)は線で色を入れる技法です。ストローク法とも呼ばれます。

人の手で丁寧に眉毛の1本1本を書くため本物の眉毛のような自然な仕上がりになり、普段あまりメイクをしない方にもおすすめです。

4D眉(手彫り+マシン)

4D眉は4Dアートメイクとも呼ばれ、手彫りで1本1本眉毛を書くマイクロブレーディングと、マシンでパウダー状に色を入れるパウダーブレーディングの2つを組み合わせた技法です。

手彫りとマシン彫りをミックスさせることで肌への負担を減らしつつ、色素を定着させることができます。

よりナチュラルな仕上がりにしたい方、元々眉毛が薄い方におすすめです。

アートメイクの施術の流れ・術後について

アートメイクの施術は、下記のような流れで行います。

  1. カウンセリング
  2. デザインやカラー決め・調整
  3. 施術部位のマーキング
  4. 麻酔クリーム塗布
  5. 施術開始
  6. 針で色素を入れる
  7. すべて描き終わったら全体に色素を塗って浸透させる
  8. クーリングを行い施術終了

デザインやカラーの決定、その後の微調整は、納得のいく仕上がりにするためにもとても重要な工程。妥協せず、気になる点があれば何度でも修正をお願いしましょう。

また、ここからは施術後の過ごし方や経過についてご紹介します。

アートメイク施術を受けた後の過ごし方

アートメイクの施術後は、軟こうを塗るなど、クリニックからの指示に従ったアフターケアをしましょう。

毎日の洗顔にも注意が必要です。洗顔は3日後から可能ですが、強くこすったりしないように気をつけましょう。

かさぶたは自然に剥がれるのを待ち、無理に剥がさないことがアートメイクをきれいに定着させるコツです。

アートメイク施術後の経過

アートメイクの施術後は、かさぶたになる過程で1〜3日間ほどは眉の色が濃く見えることがあります。

ですが、1週間ほどするとかさぶたが剥がれ、色味も落ち着いてくるため心配ありません。

その後1ヶ月経つと肌にかなりなじみ、自然な見た目になります。

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アートメイクの痛みやダウンタイム

アートメイクでは、タトゥーよりも浅い部分に色素を注入します。そのため、痛みの感じ方に個人差はあるものの、タトゥーに比べると痛みは少なくなります。

また、痛みが心配であれば、麻酔クリームなどを使って痛みを抑えることも可能です。気になる方は、事前のカウンセリングで伝えるようにしましょう。

アートメイクの持続期間について

アートメイクは、肌のターンオーバーによって少しずつ薄くなっていきます。個人差はありますが、平均2〜3年ほど持つと考えておくといいでしょう。

アートメイクを長持ちさせるコツ

アートメイクを少しでも長持ちさせたい! そんなときは、下記の点に気をつけてみてください。日頃の習慣に少し気をつけるだけでも、アートメイクの持ちをよくすることができます。

  • 技術力のあるクリニックで施術を受ける
  • 施術後1週間は安静にする
  • ピーリングは施術1ヶ月前後は避ける
  • 肌荒れ、ケガに気をつける

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アートメイクを薄くしたい、除去したいときは?

アートメイクを薄くしたい、除去したいというときには、4つの施術が考えられます。

  • レーザー治療
  • 切除手術
  • 除去剤
  • 肌色の色素を注入してカバーする

どの方法の場合でも費用がかかるのはもちろん、肌に負担がかかります。アートメイクは簡単には消すことができないため、入れるときも消すときも、慎重に検討しましょう。

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アートメイクが薄くなった際のメイクのやり方

アートメイクが薄くなったときは、まずは自分の眉毛とアートメイクの境目が気になる部分から描き始めましょう。

濃いめの色で少しずつ描いてつなげていき、最後に全体の色のトーンが合うように調整するときれいに仕上がります。

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アートメイクの失敗例

アートメイクには、失敗例もあります。失敗例やリスクについて知ったうえで治療を受けることが大切です。

デザインがイメージと違った

施術者にイメージを伝えきれていないと「デザインと違った」ということが起こる可能性があります。

口頭だけではなく、写真などでなりたいイメージをはっきりと伝え、納得できるまで話し合ってから施術を受けるようにしましょう。

アートメイクを成功させるためには、高い技術が求められます。経験と知識が豊富な症例数の多いクリニックを選ぶのがおすすめです。

健康被害があった

アートメイクは医療行為ですが、医療機関ではないのにもかかわらず施術を行っているサロンなどもあります。

国民生活センターに寄せられたアートメイク関連のトラブルは2006〜11年までで121件あり、そのうち95%が免許のない者がアートメイク施術を行ったと思われる事例です。

違法サロンでの施術によって、施術部位が化膿(かのう)した、角膜に傷がついた、アレルギーのような症状が出たなど、数多くの被害が確認されています。

このような被害を受けないためにも、違法サロンではなく、有資格者のいるクリニックを選ぶことが重要です。

アートメイクに失敗しないためのコツ

仕上がりに満足でき、毎日メイクやオシャレが楽しくなるようなアートメイクを入れるためにも、失敗しないためのコツを知っておきましょう。

信頼できるクリニックを選ぶ

アートメイクは医療行為であるため、資格のあるクリニック・病院を選ぶということは施術を受ける前の大前提です。

そのうえでさらに、信頼できるような例えば、もしも肌トラブルがあった場合でもしっかり対応してくれるクリニックを選ぶようにすると安心でしょう。

また今は韓国のクリニックでも安価にアートメイクが受けられるようですが、日本に帰国してからトラブルがあった場合、十分なアフターケアが受けられない可能性も。失敗しないためには、さまざまな点を考慮することが大切です。

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慎重にデザインを考える

アートメイクは色が落ちないことがメリットですが、「やっぱり気に入らないデザインだった」と思っても簡単に変えることはできません。

流行だけではなく、自分の理想に合うか、好みのメイク・髪型・服装に合うか、慎重にデザインを考える必要があります。

施術箇所に負担をかけないスケジュールを整えてから施術を受ける

アートメイクにはダウンタイムがあり、色が定着するまでは施術箇所に刺激を与えないよう、安静にする必要があります。

施術箇所によってもダウンタイムは変わってきますが、眉毛(アイブロウ)アートメイクであれば1週間ほどが目安です。

きれいに色を定着させるためにも、ダウンタイム中のスケジュールを整えておくといいですよ。

アートメイクのQ&A

ここからは、アートメイクの施術に関するQ&Aをご紹介します。

アートメイクの施術時間は?

アートメイクの施術時間は、麻酔をしてから30分〜1時間ほどが目安です。

前後に予定があって慌てているタイミングだと、落ち着いてデザインを考えられなくなってしまうかもしれないので、時間には余裕を持っておくのがおすすめ。

アートメイクの費用相場は?

アートメイクの費用はクリニックによっても異なり、グロウクリニックの調査(大手5社のクリニックの平均)によれば、施術2回分の費用相場は下記のようになっています。

  • 眉…約127,000円
  • アイライン…約70,000円
  • リップ…約155,000円

相場よりもかなり安い料金設定がされている場合、施術者の経験が浅い、技術が古いなどのリスクも考えられるため、費用だけではなく、安全面やデザイン性も考えて慎重にクリニックを選ぶことが大切です。

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まとめ

アートメイクは、医師や看護師しか施術できない、医療行為です。セルフアートメイクキットなどを使って自分で色素を肌に注入するのは、とても危険な行為。

失敗してもすぐに消すことができないだけではなく、肌や眼球を傷つけてしまう可能性がある、感染症にかかるかもしれないなど、多くのリスクがあります。

アートメイクにはさまざまな技法があり、きちんとしたクリニックで施術を受ければ、自分の理想のデザインの眉毛にすることが可能です。

アートメイクは2〜3年ほど持つものだからこそ、デザインや仕上がりにこだわった施術を受けることが大切。ぜひ信頼できるクリニックで、あなたの理想のデザインのアートメイクを受けてみてください。