【医師解説】アートメイク後にMRI検査はできる?どんなリスクがあるの?
アートメイク
「アートメイクをするとMRI検査が受けられなくなるってきいたけど本当?」
「MRI検査ができなくなるなら、アートメイクはやめておこうかな…」
MRI検査の注意事項として「刺青(タトゥー)やアートメイクをされている方」という項目があります。
しかし実際には、アートメイクを理由にMRI検査を拒否されることは通常ありません。
ただし、MRI検査の注意事項に書かれていることからもわかるように、検査中に発熱してやけどしてしまったり、検査結果に影響がでてしまうリスクがあるのです。
アートメイクをするとなぜMRI検査で発熱してしまう可能性があるのか。
また、リスクを最小にするにはどうすればいいのか。詳しく解説していきます。
アートメイクをするとMRI検査を受けることができない?
MRI検査の注意事項に「アートメイクや刺青(タトゥー)をしている人は注意」という記述があります。
これを見ると「MRI検査を受けられないのでは?」と心配になるかもしれませんが、アートメイクをしていても、MRI検査はほとんど問題なく受けられます。
しかし注意事項にわざわざ記載されているのは、非常にまれですが検査中に発熱してやけどしてしまったり、アーチファクト(検査画像の乱れ)が起こったりする可能性があるからです。
このため、MRI検査の前に、必ず検査の担当医師にアートメイクをしていることを申し出ましょう。
申し出ても、アートメイクを理由に検査を拒否されることは通常ありえません。
検査拒否を恐れて黙って受けてしまうと、万が一の際、医師の対応が遅れてしまうのでむしろリスクを高めてしまいます。
MRI検査とは?
MRIとは「Magnetic Resonance Imaging」の略で、日本語に直すと「磁気共鳴画像」という意味。
大きな磁石による「磁場」と「電波」を照射して起こる、体内組織の反応を画像に映し出すことで、体の臓器や血管を撮影し、さまざまな疾患、腫瘍、がんなどを検査します。
MRI検査は、さまざまな病気の早期発見や診断に有効なので、人間ドックや健康健診でも導入されていることがあります。
アートメイクをしていてもMRI検査を受けられるワケ
アートメイクがMRI検査に影響する可能性があるのは、色素に酸化鉄などの金属成分が含まれているからです。
MRI検査は、強力な地場の中でRFパルスという電磁波を照射します。
アートメイクに含まれる金属成分が電磁波に反応してしまうと、アーチファクト(MRI画像の乱れ)や電流を生じて発熱することがあるのです。
国内のアートメイククリニックで使われる色素の金属含有量はごく微量なので、MRI検査を受ける上で問題になることはほとんどありません。
ただし、万が一のことも考えて、安全対策として検査前に報告が必要になるのです。
いまのところ、国内のアートメイククリニックによるアートメイクは、MRI検査に影響しないといわれています。
ただし、今後MRI検査の機械がより精密になれば、検査結果に影響が出ないと断言できません。
リスクは低いですが、ゼロではないということは覚えておきましょう。
MRI検査でやけどをしないためにはどうする?
MRI検査によるやけどのリスクが高いのはアイラインのアートメイクです。
MRI検査時にやけどがあったという報告があるのはアイラインのみで、アイブロウ(眉)やリップ(唇)で同様の報告はありません。
そもそも、MRI検査で発熱するのは、金属成分が発熱するのではなく、色素が円を形成しているところに電磁波が照射されることで誘導電流が発生し、これが熱の原因になるとされています。
上下にアイラインアートメイクを入れている状態で目を開けると、上と下のアートメイクがリング状になるため、誘導電流が発生しやすくなります。
逆をいえば、上下のアイラインにアートメイクをしていても、検査時に目を閉じていれば色素は線になるので発熱リスクを下げることができるといえます。
ただし、どんなリスクを下げても完全にゼロというわけではありません。
アイラインはもちろん、アイブロウ、リップに限らずアートメイクを受けた人は、MRI検査を受ける前に必ず医師にアートメイクをしていることを報告しましょう。
そして、痛みや違和感を覚えたら、検査中でもMRI装置内に設置されているマイクや緊急用のブザーで異常を伝えて、発熱する前に中断してもらうようにしましょう。
アートメイクの色素は表皮~真皮浅層と、皮膚のごく浅い表面にしか入れません。
このため、万が一やけどを起こした場合でも、I〜II度の浅いやけど(赤くなったり、水ぶくれができる程度)に留まるでしょう。すぐに治療すれば、跡に残ることもほとんどありません。
MRI検査が心配…という人はグロウクリニックでアートメイクを!

撮影:田村裕未(アーク・コミュニケーションズ)
アートメイクは、日本では医療行為になるため医療機関内で行うなどの厳格なルールがあります。
しかし、海外では制度が異なるため、国内規制の範囲外となります。
また、言葉の壁もあるので色素の種類などを確認するのは難しいでしょう。
そういった意味で、医療機関である国内クリニックでアートメイクを受けた方が信頼性は高いといえます。
例えば、グロウクリニックでは看護師資格を保有しているアートメイクナースが施術を担当します。
大学病院、NIC、美容皮膚科など様々な職種に携わり、その過程でアートメイクに触れ感銘を受け、アートメイクナースを志したスタッフです
さらに、国内外のアートメイク講習(Phi Brows 、GLAM、G-academyなど)により積極的に資格取得するなど、安全性の面でも仕上がりの面でもより高い水準を目指しています。
アートメイク後の安全性が心配という人は、ぜひグロウクリニックにご相談ください。
施術直後でも大丈夫?色が抜けても報告しないといけないの?
これまで解説してきたとおり、検査前に医師に報告する必要はありますが、アートメイクをしてもMRI検査を受けることができます。
そうはいっても、施術直後でも問題なくMRI検査を受けられるのでしょうか?
また、アートメイクの色素はだんだんと抜けていきますが、色素が完全に抜けてしまえば、検査前の報告はしなくてもよいのでしょうか?
それぞれ解説いたします。
施術直後はMRI検査を受けない方が無難
アートメイクを受けてから1〜2週間程度は、ダウンタイム期間なので、緊急性がなければMRI検査は避けた方が無難です。
ダウンタイムとは、施術によりできた傷が修復される期間のこと。
肌はデリケートな状態になっていますし、色素もまだ定着しきっていません。
ダウンタイム中にMRI検査を受けた結果、検査に影響がでたりアートメイクの仕上がりが悪くなったりした、という報告はありせんが無用な刺激は避けるべき期間です。
健康診断にMRI検査が含まれているなど緊急性がないものであれば、スケジュールを調整して、施術前に検査を受ける、施術から2週間以上あけるなどしましょう。
アートメイクから10年以上経過してもMRI検査前には報告が必要?
アートメイクは時間の経過により徐々に薄まり、持続期間は2年程度といわれています。
これはターンオーバー(皮膚の生まれ変わりサイクル)により、アートメイクで入れた色素は体外へ排出されていくためです。
しかし、色が見えなくなっていても、MRI検査前に医師に報告するようにしてください。
アートメイクの色が見えなくなっていても、金属成分が完全に排出されたかどうかまではわかりませんので、検査に影響が出ないと断言できないからです。
施術してから10年以上経過していても、MRI検査前の問診で必ず自己申告してください。
この記事のまとめ
これまで「アートメイクを受けた際のMRI検査の注意点」について解説してきました。
特に押さえておきたい内容は以下のとおりです。
- アートメイクを受けてもMRI検査を受けることはできる
- 可能性は低いがやけど、アーチファクト(MRI画像の乱れ)のリスクがある
- MRI検査前に、アートメイクをしたことを報告する必要がある
アートメイクは眉毛や顔のパーツに悩みを抱えている人、理想を実現したい人にとってはとても魅力的な施術です。
しかし、見た目だけではなく安全性も重要な判断基準になります。
MRI検査での影響が不安…という人は、ぜひグロウクリニックにご相談ください。