【医師監修】アートメイクでよくある失敗は?パーツ別失敗例・海外施術の注意点
アートメイク
「アートメイクで失敗するとどうなるの?」
「アートメイクの失敗を防ぐ方法はある?」
普段のメイクのようにすぐ落とせないアートメイクは、絶対に失敗したくないですよね。
しかし、一見失敗のように思えるものの中には、アートメイクに関する基本的な知識があればあわてずに済むケースもあります。
この記事では、
- アートメイクではどのような失敗が起こりうるのか
- 海外で施術した場合はどんな失敗が起こりやすいか
- 失敗しないためにはどのような点に気をつければよいか
- もし失敗したら直せるのか
といったアートメイクの失敗に関する疑問に答えていきます。
アートメイクの失敗にはどんなものがある?
アートメイクを施す場所としては眉、アイライン、唇が代表的ですが、「このアートメイク、失敗かも……」と思うケースには、どんなものがあるのでしょうか。
アートメイクの代表的な失敗例には以下があります。
- 希望通りのデザインにならなかった
- 色が濃くなりすぎた/線が太くなりすぎた
- 左右非対称になった
- 腫れが続く/化膿した/傷が残った
以下でさらに詳しく見ていきましょう。
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- 希望通りのデザインにならなかった
アートメイクの「形」についての失敗です。
さまざまなデザインが可能な眉のアートメイクで起こりがちです。
流行のデザインにしてもらったものの、自分の顔には合わず不自然になってしまった、というようなケースもあります。
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- 色が濃くなりすぎた/線が太くなりすぎた
アートメイクの色や線の太さに関する失敗です。
眉やアイラインの場合は、くっきりと濃い「いかにもアートメイク」な仕上がりになったというケースが目立ちます。
そのほか、アイラインでは線がにじんだり、唇はピンクになりすぎたりすることもあるようです。
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- 左右非対称になった
眉やアイラインの左右のバランスが微妙に違うというケースです。
顔の表情はさまざまな筋肉の動きで作られているため、表情によって左右非対称が目立つ場合があります。
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- 腫れが続く/化膿した/傷が残った
アートメイクの施術によって、目や目の周り、眉などに健康被害が起こるケースです。
必要以上に深く傷がつくと、通常より痛みが長く続くことがあります。
また、腫れが大きかったり長引いたりする場合は、施術部位に炎症や化膿が起きているおそれがあります。
医療機関ではないエステサロン等で施術を受けた場合に多く発生しており、とくにアイライン施術では角膜に傷がついたという報告もあるようです(※)。
※独立行政法人国民生活センター「アートメイクの危害」
これら1〜4の失敗は、施術者が未熟であることが要因のひとつです。
このほかに受ける側の確認不足による後悔や、海外での施術による失敗もあります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
事前知識があればしないで済む後悔
「これって失敗!?」と思うものの中には、理由を知れば納得できるものも少なくありません。
施術後に慌てることがないよう、事前にアートメイクの特性を押さえておきましょう。
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- 施術後すぐは色が濃い(眉・アイライン・唇)
アートメイクは施術後しばらく経ち、かさぶたがはがれると色が薄くなり、本来の色に落ち着きます。
アーティストはこの変化を見越して濃い目に色を入れるため、施術直後は色が濃く見えることがあります。
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- アフターケアが必要(眉・アイライン・唇)
施術後1週間程度は、傷が治っておらず、色素が流れやすい状態です。
そのため、クリニックの指示にもとづきアフターケアが必要となります。
施術箇所を水でぬらしたり、こすったりしてしまうと色素の定着が悪くなるので、注意が必要です。
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- メンテナンスが必要(眉・アイライン・唇)
アートメイクは肌のターンオーバーに伴って、少しずつ色が抜けていきます。
個人差がありますが1〜3年ほどで色落ちするので、キレイを保つにはリタッチが必要です。
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- 1回では完了しない(眉・アイライン・唇)
初めてのアートメイクの場合は色の定着が30%程度となるため、2〜3回の施術が必要です。
一度でイメージ通りの仕上がりにならないのは、失敗ではありません。
海外で施術した場合に起こりがちな失敗
最近は韓国などの海外でアートメイクをする人が増えています。
日本より海外のほうが安価な場合もあり、旅行ついでにアートメイクをするケースも多いようです。
しかし、海外でのアートメイク施術にも失敗リスクはあります。
海外での施術を考えている場合、下記のようなリスクに注意しましょう。
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- 希望通りのデザインにならない可能性がある
日本のクリニックでは、施術前にじっくりとデザインを詰めていきますが、海外では希望を細かく聞いてくれなかったり、簡単な説明だけで施術に入ったりするところもあります。
カウンセリングがあっても、言葉の問題で意思疎通がうまくいかなければ、細かな指定ができません。
特に欧米圏は美の基準や流行のメイクが日本と異なるので、納得できるデザインが可能か事前にチェックしたほうがいいでしょう。
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- 染料の安全性を確認できない
海外で施術する場合、使用する染料の安全性を事前に確認できないリスクがあります。
万一、模倣品など粗悪な染料を使用された場合、下記の懸念があります。
・染料に含まれる金属成分により、MRI検査を受けられない可能性がある
・金属や薬剤に過敏な人は、アレルギー反応が出てしまう可能性がある
旅行ついでにアートメイクをした場合、失敗に気づくのは帰国後であることが多いでしょう。
施術を受けた国にすぐ向かうのが難しければ、「他院修正」が可能な国内のクリニックをあらかじめ見つけておいたほうがよいかもしれません。
ただし、他院修正は通常のリタッチと比べて割高になることが多いです。
どうすればアートメイクで失敗しない?

撮影:田村裕未(アーク・コミュニケーションズ)
アートメイクで失敗を防ぐためには、どういった点に注意すればよいのでしょうか。
まず大前提として、医療機関(クリニック)を選びましょう。
アートメイクは肌に針を使って色素を入れる医療行為です。
医師または医師の指示を受けた看護師以外が行うことは違法となります。
その上で、押さえておきたいポイントをまとめてご紹介します。
1.アートメイクの知識や技術が確かであること
クリニックを選ぶときは、施術するスタッフがどこでアートメイク知識や技術を習得したかにも注目しましょう。
施術を担当するスタッフの知識や技術レベルは、クリニックによって差があります。
極端なことを言えば、クリニックでは医師が常駐していれば、アートメイクの知見の浅い看護師でも施術ができてしまうのです。
グロウクリニックでは、施術スタッフの技術管理に力を入れています。
何人ものモニター施術を経験し、世界的に有名なアートメイクアカデミー「Phi Brows」の厳しい実技試験をクリアしたナースアーティストしか施術できません。
一度認定を受けた後も定期的に「Phi Brows」の研修を受け、知識と技術を磨き続けます。
施術を担当する全員の確かなスキルが、最先端のトレンドを取り入れたアートメイクを可能にしているのです。
2.カウンセリングがていねいであること
イメージと仕上がりのギャップを防ぐには、施術前のカウンセリングでしっかり話し合うことが大切です。
流行のデザインだからといって、あなたの顔立ちを美しく見せてくれるとは限りません。
個性を活かした自然な美しさには、1人ひとりに合ったデザインの調整が必要です。
グロウクリニックでは、お客様の希望と顔の黄金比を掛け合わせ、お客様がいちばん美しく見えるデザインを提案します。
通常のメイクで確認しながら、仕上がりイメージにズレがないか時間をかけて話し合い、理想のデザインを一緒に探していきます。
3.施術後のアフターケアが適切であること
施術だけでなくアフターケア指導が親身かどうかも、事前に確認したいポイントです。
アートメイクは肌に細かな傷をつけ、その傷口に色素を入れるため、傷が落ち着くまでアフターケアが必要となります。
同じ施術を受けても、色素をしっかり定着させるためのケア方法は、肌質によって異なります。
例えば、施術後はワセリンを処方されることが多いですが、色素が傷口から流れやすい脂性肌の人は、ワセリンを塗る必要がないこともあります。
グロウクリニックでは色素を定着させるケア方法はもちろん、万一肌トラブルが起こったときの対処法まで、肌質に合わせて診断・指導しています。
もしアートメイクを失敗したと思ったら?判断&対策のポイント

撮影:清水亮一/アーク・コミュニケーションズ
アートメイクの失敗には、いろいろなものがあることをご紹介してきました。
では、もしアートメイクを失敗したと思ったら、どうすればいいのでしょうか。
結論から言えば、修正や除去も可能です。
ただし、アートメイクは定着するまでに少し時間がかかるので、失敗かどうかの判断を適切なタイミングで行う必要があります。
修正・除去の方法とあわせて見ていきましょう。
アートメイクの失敗はいつ判断すべき?
アートメイクの施術後しばらくは、色が濃く感じられるものです。
失敗かどうかは、下記のタイミングで判断するのがいいでしょう。
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- かさぶたが取れたとき
アートメイクの施術後2、3日は施術直後よりも色が濃く感じられ、失敗したのではないかと感じられるかもしれません。
しかし、これは一時的なもの。
かさぶたが自然にはがれるのにともなって色が落ち着いてきます。
施術後1週間ほど経てば、腫れや痛み、かゆみなどの症状も治まるでしょう。
逆に、1週間経っても腫れや痛みが続く場合は、クリニックに相談してください。
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- 施術後4週間程度
約4週間経つと、肌のターンオーバーが一周すると考えられます。
色素を入れた際にあった表皮がある程度はがれ落ち、発色が落ち着いた頃です。
施術直後と比べるとかなり薄くなったように思うかもしれませんが、初めてのアートメイクの場合、色の定着率は30%程度なので問題ありません。
あまりにも濃い場合については、このタイミングで判断できるでしょう。
失敗したアートメイクは修正したり消したりできる?
施術後1ヶ月以降に「失敗を直したい」と思ったら、修正・除去の施術を受けることもできます。
修正・除去を検討する際は、下記に注意しましょう。
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- 残りの料金を返金できない場合がある
アートメイクをしたクリニックに複数回数プランの費用を支払い済みで、修正は別のクリニックで行う場合、残った回数分は返金してもらえないことがあります。
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- 修正施術(リタッチ)は描き足しのみ
修正施術では描き足して形を調整します。
長い線を短くしたり、太い線を細くしたり、濃い色を薄くしたりすることはできません。
また、一度ベージュの色素を入れてしまうと、レーザー治療によって除去できなくなる可能性もあります。
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- 色の種類によっては除去が難しいことも
アートメイクを除去するには、レーザー照射、切除手術、除去液、色素の注入などの方法があります。
ただし、レーザー治療の場合、赤や白の色素を使っていると除去が難しい可能性があります。
1回で消すことは難しく、2〜3回繰り返して徐々に消していくことになる点も覚えておきましょう。
そもそもアートメイクできない人もいる

撮影:清水亮一/アーク・コミュニケーションズ
体質や持病、身体の状態によっては、アートメイクの施術ができない場合があります。
事前にクリニックのウェブサイトなどで施術できないケースを確認しておきましょう。
グロウクリニックでは、以下の方の施術をお断りしています。
- 妊娠・授乳中
- 重度のアトピー
- 高血圧
- 糖尿病
- 各種感染症(B型肝炎、C型肝炎、血友病)
またケロイド体質の人、金属アレルギーの人は、医師の診断によって施術ができない場合もあります。
この記事のまとめ
この記事では、アートメイクの失敗について、グロウクリニック渋谷院の楠山法子医師が説明してきました。
アートメイクの失敗といっても、さまざまなケースがあります。
特に重要なのは以下のポイントです。
- 思い通りのデザイン・色にならないなどの失敗は施術者が未熟な場合に起こる
- 医療機関以外での施術では健康被害が起こる可能性もある
- 海外での施術には、染料の安全性を事前に確認できないリスクもある
- 初めての場合は、完成までに2、3回の施術が必要
- 施術後しばらくは色が濃く出るので、色味は1ヶ月程度経ってから判断
- 失敗した場合は修正も可能だが、線を細くしたり、色を薄くすることはできない
- アートメイクをレーザー除去する場合、色素によっては難しいことがある
失敗を防ぐには、アートメイクの知識・技術がしっかりとしていて、カウンセリングやアフターケアもていねいな医療機関を選ぶとよいでしょう。